サーモシールドウォール工法【構造】

なぜ「遮熱」なのか？

私たちは生活している間に
常に熱を受けています。

私たちは生活している間に常に【熱（暑さも寒さも含む）】を受けていますが、その熱の種類と割合をご存知でしょうか？
実は日本人が住宅を造る場合に、断熱として重視してきた伝導熱と対流熱は、熱全体の30%にしかすぎません。ところが、欧米では90年以上も前から、輻射熱を防ぐことが優れた省エネルギー住宅を造る手段として実践されてきました。輻射熱に有効な【遮熱】を施すことで、熱に対してより効率のいい家にすることができます。

TSW工法で使用する遮熱材は
輻射熱を98%反射

太陽からの輻射熱は、
物に当たると熱を発生。

太陽からの輻射熱（電磁波）は、物に当たると熱を発生し、その物体の温度を上昇させる性質をもっています。体温が36.5℃より10℃以上も低い気温25℃でも日向にでると汗が吹き出るような暑さを感じるのは、輻射熱が身体に当たり、身体自体が熱をもってしまうからです。樹木や建物の影に入ると輻射熱の一部がカットされますので、少し涼しく感じるのです。このように私たちが熱さを感じるのは、気温よりむしろ照射される輻射熱の量に影響を受けている事が解ります。

TSW工法の遮熱材は、この輻射熱の98%を反射してしまいますので、自然環境に非常に近い超日陰をつくる事ができます。

TSW工法の遮熱材の性能

遮熱工法の実施例。

遮熱で冬場はポカポカ！！
施工者共通の声。

熱は温かい方から冷たい方へ移動のルールに従い冬場の室内の熱は、室外に向かって放射されます。遮熱をする事により、この熱は室内側に戻されますので、室内は暖かい環境となります。又、冬の日射は低角度で室内に侵入しますので室内奥深くまで熱を持ち込んでくれます。

遮熱は結露の発生を抑える為、
室内環境は抜群！

全米の多くの機関の報告として、建物を通過する熱の約75%は輻射熱であると言われています。遮熱材は、この輻射熱の98%を反射し、壁体内と室内の温度差を少なくします。その結果、熱の移動にともなう空気の移動（対流）が少なくなくなる為、空気中の水分も移動せず、壁体内への湿気の流入が激減します。

TSW工法の遮熱材の性能

室温29度でもエアコン不要な訳。

TSW工法の遮熱材性能は、95°Cのヤカンにわずか0.1mmの遮熱材を直接貼って、その温度変化を検証、表面温度が28°Cに低下したという実験結果が報告されています。また50坪平屋建て鉄骨工場の天井裏のみ遮熱施工した場合の温度変化を計測、施工前外気温28.7°Cに対して室内気温35°C（＋6.3°Cの上昇）対して施工後外気温34.5°Cに対して室内気温29°C（対して−5.5°Cの低下）相対的な室内温度低下は −11.8°Cという計測結果が得られました。

TSW工法の室内温度

TSW工法の住宅の
室内環境調査結果。

TSW工法の住宅の室内環境を調査したところ、下記のような結果となりました。外気温が高くても、遮熱効果で室内の気温上昇を抑えることが可能です。

TSW工法の遮熱材の役割

断熱材が保温材としての役割に変化。

TSW工法では建物外部の熱は断熱材の室外側にある遮熱材が反射してしまう為、断熱材は室外熱の影響をほとんど受けることがありません。さらに遮熱材が建物内部からの熱を反射する為、室内側にある断熱材は、室内の熱を蓄えていきます。その結果、断熱材は保温材としての機能の方が高くなっていきます。

遮熱に大きな役割を果たす
「屋根裏遮熱」。

TSW工法の標準施工は、天井裏面に遮熱材を敷きつめて、小屋裏に入ってくる輻遮熱を反射します。また、室内の熱を室内側に反射して戻すため、210mmの高性能グラスウールがその熱を蓄え、保温効果が高くなります。

通　気

屋根裏の通気対策。

家屋を自然放置した状態で、一番空気の温度の差がでる場所は屋根裏です。九州では、真夏の屋根裏は蓄熱されて60度を超える温度に上昇します。真冬は瓦の冷却が伝わり、ほとんど外気温度と同じまで下がります。従って、室内を安定した心地よさに保つためには、屋根裏対策は非常に大切です。

屋根裏の熱気や湿気・結露を抑える換気役物は、住まいの長寿命化に欠かせません。換気役物は、ランニングコストのかからない自然換気タイプで施工いたします。

給水・給湯配管の劣化防止

給水・給湯配管に
「サヤ管ヘッダーシステム」を標準施工。

住宅を長期にわたって健全に維持管理していくことは、大変難しいことです。出来ればメンテナンスフリーにしたいものです。その中でも、TSW工法では給水・給湯配管の劣化防止及び維持管理を容易にするために、以下のことを標準施工としています。

配管の継手がなく、
点検が容易にできます。

ヘッダーから各設備までそれぞれ単独の配管で繋がっています。又途中接続個所がありませんので、ヘッダー部と設備の接続部の点検で済み簡単です。接続部が途中ないため、接続部からの劣化による漏水等がなく安心です。

屋内配管はすべてサヤ管方式の露出型で取替え補修も可能です。屋内床下配管はすべてコンクリート基礎の上に露出配管です。

遮　音

枠組壁工法は、“水平面に於ける防音”つまり、隣部屋間の防音は優れていますが、“上下面に於ける防音”つまり、２階の音が１階の室内への伝わり方では、１〜２階間の空気が太鼓状になっている為、音の共振が起こりやすいと言われております。このためTSW工法では、次のような対策をとっています。

屋根裏の通気対策。

防震吊木について

防振吊木は振動波を吸収材と振動に共振しにくい特殊な硝子繊維強化プラスチックを使用し、固体伝達音を効果的に遮断します。

防音床をつくる（オプション）

1階と２階の間に、遮音性の高い材料（ALC床板等）で遮断することによって強固な防音床をつくることができます。（音の種類によっては抵効果）

※ALC床：気泡を含んだ軽量のコンクリート盤で遮音性・断熱性・耐火性に優れた材料

空間を有効利用してロフトスペースも

TSW工法は、設計の自由度の高さから、小屋裏を利用したロフトを設けることも自在です。屋根部分にも高気密・高断熱施工を行い、また断熱材の外側に｢通気層+遮熱材｣を設けて十分な換気を確保することで、日射しの影響を受けにくい快適な生活空間として活かすことが可能になりました。この他、勾配天井や吹き抜け、変形屋根などの設計にも、経済的に対応することができます。

防水・湿気

洗面の壁に耐水石膏ボードを施工

TSW工法では、洗面の壁に標準として耐水石膏ボードを施しています。表裏のボード原紙は特殊な化学処理による防水加工、撥水処理がなされており、芯材の石膏にも特別に開発された防水剤を添付して、一段と防水性能を向上させています。

バルコニーの笠木

バルコニーの笠木（図参照）をアルミ製としています。意匠性にも優れ腐食、防水・施工性の良さなどで安心です。

バルコニーの防水

バルコニーの防水は軽量で強靭な「FRP防水工法」を標準施工として採用しています。バルコニーの形状に合わせた自由な現場施工が出来ます。FRP(Fider Reinforced Plastics)とは、ガラス繊維などの強化材で補強されたプラスチックで、一般に強化プラスチックと呼ばれています。このFRPは、プラスチックの中でも特に耐水性、耐食性に優れ、衝撃にも強い材料です。水から建物を守ります。

※FRP防水…複雑な形状のバルコニーに対して有効な施工方法です。